要点

脂質異常症診断基準

※2022年版での改正点:随時 TG が追加

4.1 薬物療法

<aside> <img src="/icons/book_gray.svg" alt="/icons/book_gray.svg" width="40px" /> FQ16 動脈硬化性疾患の予防のため、管理目標値を目指した LDL コレステロール低下療法を日本人において推奨できるか?

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日本人においても、冠動脈疾患及びアテローム血栓性脳梗塞を包括したアテローム性動脈硬化症(ASCVD)の予防に対する LDL コレステロール低下療法の有用性は示されており、管理目標値を目指した LDL コレステロール管理を推奨する。(エビデンスレベル:コンセンサス、推奨レベル:A)

<aside> <img src="/icons/book_gray.svg" alt="/icons/book_gray.svg" width="40px" /> FQ17 アテローム性動脈硬化性疾患の予防目的として、高トリグリセライド血症に対する薬物療法を推奨できるか?

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冠動脈疾患や脳梗塞の既往、糖尿病など高リスク患者で、スタチンで LDL コレステロールが適正に管理された条件において、脳心血管イベントの予防目的として、高グリセライド血症に対するイコサペント酸エチルの併用投与を推奨する。(エビデンスレベル:1+、推奨レベル:A)

高トリグリセライド血症、かつ、低 HDL コレステロール血症を示す脂質異常症では、スタチン内服の有無に関わらず、脳心血管イベントの予防目的としてトリグリセライド低下療法を推奨する。(エビデンスレベル:1+、推奨レベル:A)

<aside> <img src="/icons/book_gray.svg" alt="/icons/book_gray.svg" width="40px" /> FQ18 冠動脈疾患の二次予防の薬物療法において最大耐用量のストロングスタチンを第一選択に推奨できるか?

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冠動脈疾患の二次予防においては、治療開始前の LDL コレステロールに関わらず、発症早期より最大耐用量のストロングスタチンを第一選択にした薬物療法を推奨する。さらに、個人のリスクに鑑みての、LDL コレステロール管理目標値達成のための薬物療法の強化を推奨する。(エビデンスレベル:1+、推奨レベル:A)

<aside> <img src="/icons/book_gray.svg" alt="/icons/book_gray.svg" width="40px" /> FQ19 高リスクな病態を合併する冠動脈疾患の二次予防において LDL コレステロール 70 mg/dL 未満を目標とした薬物療法を推奨できるか?

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急性冠症候群、家族性高コレステロール血症、糖尿病、アテローム血栓性脳梗塞のいずれかを合併する冠動脈疾患の二次予防では、LDL コレステロール 70 mg/dl 未満を目標に薬物療法を実施する事を推奨する。(エビデンスレベル:1、推奨レベル:A)

<aside> <img src="/icons/book_gray.svg" alt="/icons/book_gray.svg" width="40px" /> FQ20 アテローム性動脈硬化疾患の予防目的としてスタチン以外の薬剤を用いた LDL コレステロール低下療法を推奨できるか?

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