短期間の睡眠(自覚症状としての改善度)は、BZ系が優れている
De Crescenzo F, Lancet. 16; 400(10347):170-184 (2022) [PMID: 35843245]
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ベンゾジアゼピン系睡眠薬と認知症リスクに関する研究は多数存在し、全体的にはベンゾジアゼピンの使用が認知症リスクを増加させる可能性を示唆する結果が多いです。以下は、主なエビデンスをまとめたものです。
- リスク増加の傾向: メタ分析によると、ベンゾジアゼピンの使用は認知症のリスクを78%増加させる可能性があるとされています(Islam et al., 2016)。
- 短時間作用型の薬剤と高用量でのリスク増加: 別の研究では、短時間作用型のベンゾジアゼピンやZ薬の使用が高用量で認知症リスクを高めることが示されました。ただし、統計的に調整された結果では有意差が見られませんでした(Torres-Bondia et al., 2021)。
- 逆因果の可能性: 認知症の前駆症状である不安や睡眠障害の治療としてベンゾジアゼピンが処方されることが多く、これがリスク増加の一因である可能性も指摘されています。すなわち、ベンゾジアゼピンが原因で認知症になるのではなく、認知症の前兆である症状のために薬が処方されるという逆因果関係が考えられます(Pariente et al., 2015)。
- アルツハイマー病との関連: ベンゾジアゼピンの使用は、アルツハイマー病のリスクも増加させるという証拠がいくつかの研究で見られています。特に、長期間にわたる使用がリスクを高める可能性が高いとされています(Billioti de Gage et al., 2014)。
- 服薬中止によるリスク低減: 一方で、ベンゾジアゼピンの服用を中止すると、時間の経過とともに認知症リスクが減少するという研究もあります。長期間の服用中止がリスク低減に寄与することが示唆されています(Wu et al., 2011)。
結論
ベンゾジアゼピン系睡眠薬の使用は認知症リスクを増加させる可能性がありますが、逆因果関係の影響も考えられるため、因果関係を断定するにはさらなる研究が必要です。長期使用は特に注意が必要とされています。
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